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東洋医学の考え方 ―「瘀血(おけつ)」とは?🦔
2025.08.08

残暑お見舞い申し上げます。こんにちは。昭島緑町鍼灸院の金久保です。今回は、「瘀血(おけつ)」についてお話しします。
「瘀血(おけつ)」は、東洋医学(中医学)における重要な病理概念の一つで、「血(けつ)」の流れが滞って、体のどこかに停滞・蓄積し、さまざまな症状や病気の原因になる状態を指します。「瘀(お)」は「滞る・つまる」という意味で、「瘀血」は 血流がスムーズでなくなった状態、または血が体内で異常な場所にとどまり病理産物化した状態のことです。現代医学でいうと、血液循環障害、血栓、うっ血、炎症後の硬結、月経異常や慢性疼痛などに類似します。瘀血は単独でも起こりますが、他の失調と併発することも多いです。
■ 瘀血の主な原因
原因 | 説明 |
---|---|
外傷 | 打撲・手術などで血流が障害される |
冷え | 血管が収縮し、流れが悪くなる |
気虚・気滞 | 気が血を推動できず、血が滞る |
出産・流産 | 子宮内に瘀血が残ることがある |
加齢 | 血の生成・循環が衰える |
■ 瘀血の主な症状
分類 | 症状の例 |
---|---|
疼痛 | 固定痛、刺すような痛み、夜間に悪化する痛み |
皮膚 | シミ、アザ、くすみ、唇や舌が紫暗色 |
婦人科 | 月経痛、月経不順、経血が暗紫色・塊がある |
その他 | 顔色が暗い、唇が紫、慢性疾患がなかなか治らない |
■ 瘀血の診断サイン(舌・脈など)
- 舌:紫暗色、瘀斑(黒っぽい斑点)、舌下静脈が怒張
- 脈:渋脈(途切れるような脈)、あるいは細くて力がない
■ 瘀血の治療方針(東洋医学的アプローチ)
基本原則:活血化瘀(かっけつかお)=血の流れをよくし、滞った血を除く
代表的な漢方薬:
症状・体質 | 漢方薬の例 |
---|---|
一般的な瘀血改善 | 桃核承気湯、桂枝茯苓丸 |
婦人科系の瘀血 | 温経湯、当帰芍薬散 |
冷えを伴う瘀血 | 血府逐瘀湯、温経湯 |
打撲・痛み | 補陽還五湯、通導散 |
■ 瘀血タイプの体質チェック ✅

該当するものが多いほど瘀血体質の可能性が高いです。
- 慢性的な肩こりや腰痛がある
- 月経痛が強い(月経中に鎮痛剤が必要)
- 経血が暗い色や塊を含む
- シミ、そばかす、くすみが多い
- 舌の色が紫っぽい/舌の裏の血管が怒張している
- アザができやすい
- 顔色がどす黒い・くすんでいると言われる
- 頭痛や目の奥がズキズキ痛むことがある
- 便秘しやすく、出てもすっきりしない
- 冷えのぼせがある(手足は冷たいのに顔はほてる)
結果の目安:
0~2個:瘀血傾向は少なめ
3~5個:瘀血体質の可能性あり
6個以上:明らかな瘀血傾向、改善が必要
■ 瘀血体質に効果的な食事・生活習慣
- 血行を促進する:玉ねぎ、にんにく、生姜、にら、シナモン、黒酢、黒豆、山査子
- 血を補う:黒ごま、レバー、ほうれん草、なつめ、当帰
- 冷えを改善する:ショウガ、ねぎ、よもぎ茶、紅茶、温かいスープ
避けたいもの:冷たい飲食物(アイス、水)、脂っこいもの、甘いお菓子
昭島緑町鍼灸院では、地域の皆さまの健康をサポートするために、体質やお悩みに合わせた丁寧な施術を行っております。気になる不調や体調の変化がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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